NHK放送文化研究所が公開している「国民生活時間調査」のデータをLooker Studio(旧:Googleデータポータル)で可視化したダッシュボードを公開します。時間軸、年齢、性別、職業などの切り口で日本人の1日の生活行動に関する情報を得ることができます。
このような一般公開されているパブリックデータからは様々な知見を得ることができます。また、活用する一つの手段としてLookerスタジオのようなBIツールが非常に有用です。
この記事で公開する情報がなにかお役に立てれば幸いです。
※本稿でご紹介している内容を参考に実施する取り組みはすべて自己責任でお願い致します。
記事の内容は2021年6月時点で確認している情報を追記しています。万が一記述内容に誤りがある場合はTwitterのDMなどでご連絡頂ければ幸いです。何卒よろしくお願い致します。
2022年10月12日に、Googleデータポータルは名称を「Looker Studio」に変更する旨が発表されました。記事内の用語も一部修正しています。
Google Cloud Next '22
Google unifies its BI services under the Looker brand | TechCrunch
国民生活時間調査とは
概要
みなさんは、1日をどんなふうに過ごしていますか?
この調査は、人びとの1日の生活行動(睡眠や仕事、家事、食事、テレビ視聴など)を、
「時間」の面からとらえており、日本人の生活に関する基礎的なデータとして広く利用されています。このサイトでは1995年以降のデータを公開します。
NHK放送文化研究所(以下、ウェブサイト)では、上記のような調査データを誰でも閲覧・利用することができる公開データとして提供してくれています。ウェブサイトでは5年毎の調査データを自由に見ることが出来ます。
行動データの分類
大分類 | 概要 |
必需行動 | 個体を維持向上させるために行う必要不可欠性の高い行動。 睡眠、食事、身のまわりの用事、療養・静養など。 |
拘束行動 | 家庭や社会を維持向上させるために行う義務性・拘束性の高い行動。 仕事関連、学業、家事、通勤・通学、社会参加など。 |
自由行動 | 人間性を維持向上させるために行う自由裁量性の高い行動。 マスメディア接触、レジャー活動、会話・交際、休息など。 |
調査対象となった方が回答した行動は大分類・中分類・小分類という3つのカテゴリーに区分されています。
ウェブサイトで閲覧できるグラフ
出典:NHK放送文化研究所「国民生活時間調査」で利用できるグラフを加工したもの
ウェブサイトではブラウザで直感的にデータを探索できるコンテンツを公開してくださっています。15分ごとの時刻別に、各行動を行った人の割合「時刻別行為者率」を円グラフのサイズで表しています。
例えば、上記のキャプチャでは10代男性の平日22時の行動データを2020年と2015年で比較できるように表示しています。左右のグラフはそれぞれ任意の設定を反映させることができる為非常に比較しやすくわかりやすいです。
コラム・世論調査
ウェブサイトでは、調査データから発見した特徴をまとめたコラムも公開されています。行動傾向から見えてきたインサイトをわかりやすく解説してくださっているのでこちらもオススメです。
また、国民生活時間調査の世論調査についてまとめたページでは1960年から続く多くの調査結果が公開されています。行政機関や企業、研究機関でも利用されているとのことで、こちらも非常に興味深いです。
当該コンテンツの出典や利用ルールについて
国民生活時間調査 サイトの利用について|NHK放送文化研究所
上記で明記されている規約の下、コンテンツやダウンロードしたデータを利用することが可能です。私が調査データを利用して作成・公開したコンテンツの権利もすべてNHKに帰属します。また、予告なく削除や変更を行う場合があります。
データのダウンロード
出典:国民生活時間調査|NHK放送文化研究所より抜粋
執筆時点では、1995年以降の調査データをCSVダウンロードすることが可能です。
時刻別行為者率または全員平均時間量のいずれかのデータセットを利用できます。
出典:2020_jikoku_zaigaku.csvより抜粋
出典:2020_4shihyo_zaigaku.csvより抜粋
Looker Studio(旧:Googleデータポータル)でダッシュボードを作ってみた
概要
国民生活時間調査の大きな特徴は、調査に継続性があり、時系列でデータを比較できることです。ウェブサイトで利用できる円グラフのコンテンツでは各年度のデータの比較をしやすい為、基本的にはこれだけで十分にインサイトを得ることができると思います。
一方で、時系列で表示したり職業や年齢などの「層」ごとのデータを俯瞰するなど、ウェブサイトで利用できる円グラフでは見ることが難しい切り口もあります。
そこで、公開されているCSVダウンロードの中から2020年の時刻別行為者率のデータを利用して、Googleが無償提供しているBIツール「Looker Studio(旧:Googleデータポータル)で作成したダッシュボードでデータ探索の新しい切り口を模索してみました。
2020年の調査データのみなので限定的な使い方にはなりますが、誰かのお役に立てれば幸いです。
興味を持った方は、ぜひご自身でも公開データを活用してみてくださいね。
出典・利用するデータについて
繰り返しになりますが、下記ページで明記されている利用ルールに基づき、非営利目的で(というか趣味で)ダウンロードしたコンテンツを加工したダッシュボードを公開致します。
国民生活時間調査 サイトの利用について|NHK放送文化研究所
元データはNHK文化放送研究所が公開してくださっているものですが、ダッシュボードで表示している情報は僕が編集・加工しているものです。NHK文化放送研究所の公式のグラフではないのでご参考までに御覧ください。
ダッシュボードはこちら
https://datastudio.google.com/reporting/b41fc821-d81c-4181-aba4-2fc1595175cb
レスポンシブ表示ですが、PCまたはタブレットの大きな画面で閲覧することをオススメします。こちらのダッシュボードは誰でも閲覧することができますが、印刷やコピーをできない設定としています。
出典・使い方のページ
ダッシュボードは10ページ構成となっており、1ページめには利用データの出典を明記しています。また、レポートの使い方についてもこちらにまとめています。
詳しくはLooker Studioを見て頂ければと思いますが、少しだけ使い方をご紹介します。
各レポートは、ユーザー層と行動内容別の時間軸 × 行為者率(%) 実績を表しています。
- 大分類
- 中分類
- 小分類(行動別)
- テレビ閲覧状況の分類
- 在宅状況の分類
の5つのカテゴリを平日(左側)と土日(右側)のグラフでまとめています。
その他にも、凡例ではなくグラフをマウスオーバーして内訳を表示したり、並べ替えたりCSVダウンロードすることも可能です。
時間軸のレポート
x軸を時刻、y軸を行為者率としてまとめているレポートが2~6ページめです。
それぞれ、国民全体・男女年層・職業・在学・都市規模別の5つのCSVファイルをデータソースとして表示しています。
層軸のレポート
x軸を年齢や職業といった「層」、y軸を行為者率としてまとめているレポートが7~10ページめです。
こちらは、男女年層・職業・在学・都市規模別の4つのCSVファイルをデータソースとして表示しています。
テレビに関する調査データについて
調査データの中にはテレビの閲覧状況について比較している情報も含まれています。
- テレビ(自宅内)
- テレビ(自宅外)
- テレビ(専念)
- テレビ(ながら)
という、それぞれ違った状況での閲覧行動の行為比率がまとまっています。
こちらに関しては、その他の行動データと切り分けて線グラフで表示しています。
※大分類・中分類・小分類の棒グラフには「テレビ」という総括した行動データが含まれているのでどちらのグラフでもテレビに関する行動傾向を表示することができます。
在宅に関する調査データについて
同様に、CSVファイルのデータセットには在宅に関する調査データも含まれています。
- 在宅
- 起床在宅
という、それぞれを比較することで在宅時に就寝している行為比率を確認できるデータです。こちらもその他の行動データとは切り分けて線グラフで表示しています。
補足
ブログ及びLooker Studioの内容について、NHK文化放送研究所は一切関与されていません。すべて、一般公開されているデータを僕が編集・加工して公開しています。
冒頭でも記載しましたが、もし公開している内容に誤りや問題がある場合は誤解を招く表現をしてしまい申し訳ありません。あくまで参考データとしてご覧くださいませ。
また、その際はTwitterのDMでご連絡頂ければ幸いです。
最後に
このダッシュボードを公開した理由について、簡単に触れさせて頂きます。
まず、公開されているデータが非常に興味深く、このようなパブリックデータを活用した発信をすることで多くの人の役に立つことができるのではという好奇心がありました。
コロナ禍において、自分自身の行動傾向が大きく変わったということもあり今回発表された国民生活時間調査は大変興味を惹かれました。
このような貴重なデータを無償で一般公開してくださっているNHK文化放送研究所に感謝したいという気持ちが強かったです。ありがとうございます。これらのデータを活用して個人や企業・団体などを問わず様々な方のお役に立てれば嬉しいです。
長文乱文の記事に最後までお付き合い頂きありがとうございます!
皆さんの健康と安心して外出できる未来とこのデータを活用して生まれる良いアクション・成功すべてを祈っています。